アトピーな心もよう  part  ・  ・  ・ 

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 心を閉ざさないで  

「かわいそう。」と言われると、なんでこんなにつらいんだろう  

アトピーは、前向きが勝ち!

 気づかぬうちに、我が子の傷口に塩を塗る行為      

 アトピーで上下する夫の株

 クリスマス 

 我が家のケーキが一番!


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  孤独に子育てをしているときに、アトピーっ子を抱えていると、ママが精神的に
追いつめられちゃうことも多いんだよ。

  でも、あなただけが抱えている気持ちじゃない。みんな同じなんだって、知ってた?
気持ちが煮詰まると、とってもつらいよねぇ。

   このコーナーは、アトピーで揺れる心理について、メールマガジンに書いたものを
UPしています。ぜひ、読んでみてね。  メルマガへは、こちらから

 心のモヤモヤが、すっきりするかもしれないよ。  
時々更新しています  part2へ 





       心を閉ざさないで

子供向けの公演を、家族で観に行きました。

ところが、連れていった2歳の末っ子が途中ですっかり退屈しちゃって、わあわあ騒ぐので、仕方なく
ホールを出て、付属のプレールームへ連れていったのです。

 そこで、一人の幼児に目がとまりました。
 
               



  回りに同じくらいの年の子がたくさんいるんだけれど、一緒に
遊ぶわけでもなく、うつむいたまま、ぼんやりしています。

大型おもちゃが山積みされたプレールーム。大人だって大暴れ
したくなるほどおもちゃがあふれて楽しいこの部屋で、何もせず
にじっとしているのです。

髪はパサパサで油っけがなく、目の下には赤いクマ。時々首の
後ろをボリボリかくしぐさ。


ああ、こんな子には何度もお目にかかったことがある。
幼児のなのに、心が沈んで屈折している。

好奇心むきだしで飛び出していけない、体も心も元気のない
この子はアトピーでした。


でも・・・なんか この子、見たことがあるような・・・?










息子が男の子と積木を始めたので、話しかけてみると、にこっと笑った顔が
あどけない。

話し方がしっかりしているので、年は少し上のように見えるのだけど、
背は うちの子より かなり小さいみたい。

そのうち、腕をかきむしりはじめたので、手をとって、さすってあげたら、腕の
内側は、象のように厚ぼったいゴワゴワの皮膚。

しかも悲しいことに、シワがよるほど皮膚がしなびて、幼児らしいぷっくりした
丸みがないのです。

薄べっらい腕を手にして、私は切なくなってきました。

『たぶん、今の生活が、この子の体質に合っていないんだ。かわいそうになぁ。』

そう思いながら、しばらく一緒に遊んでいたら、不意に後ろから声をかけられた
のです。  

 何のことはない、同じ小学校に通う父兄でした。参観日に出会って、似たタイプ
の男の子を連れているなぁと思っていたら目が合い、ちょっと話をしたことがある
お母さんでした。

そうそう、去年もこのイベントでお目にかかり、この子が気になったんだっけ。

あの時はまだ、うちの末っ子のほうが明らかに小さかったのに・・・今はうちの子
の方が大きいから、あれからあまり大きくなっていないんだな。





 


少し話を聞いてみました。

「ご飯はよく食べるの?」

「ううん、あんまし」

「立ち入った事を聞くようだけど、うちの子も以前アトピーがひどくて、息子さんみたいな感じだったから気になって・・・でも、食事を変えたら良くなったのよ。」

「・・・」

「ねぇ、この子、下痢をよくしていない?」

「そうなのよ。でもあんまし食べなくて・・・インスタントラーメンなら喜んで

食べるんだけど・・・」

 インスタントラーメン?

一瞬絶句して、ああ、それじゃダメだと思ったけど、ようやくこう言った。

「それよりはまだ、うどんのほうがいいと思うけど・・・」





               



 ・・・ と、ここまで話したとき、お母さんは明らかに迷惑そうな、困った顔で言った。

「今の先生の薬もよく効いているみたいだし・・ひどい子は、ショック症状だっておき
るって言うじゃない。うちの子なんて、まだましよ。」

 まだまし・・・そうかな?・・・・・・この子は、別の意味で、結構なダメージを受けている
ように見えるけどなぁ。

何とか力になってあげられないかな。薬ばっかりに頼って、症状を押さえるだけじゃ
ダメなんだけどな・・・

頭の中ではグルグルと、そんな考えが回っているのですが、こんな話を、そんなに
親しくない人に、どう話しかけたらいいものだろうかと迷っていると・・・、

「じゃあ。また。」
 
お母さんは子供の手を引いて、会場のほうへと戻っていった。

 後ろ姿に、うちの子に関わってほしくないという様子が、ありありと見えた。







「あら、アトピー?大変ね。」とか言いながら、あんなことを話しかけるおせっかいな
おばさんが、きっとたくさんいて、あのお母さんもつらいんだろうなぁ。

『自分なりにがんばっているけど、良くならなくて困っているのに、横から好き勝手なことばかり
言わないでほしい。』

わざと気にしていない風を装ったお母さんの、そんな心の声が聞こえてくるようです。

でもね、あなたの体験談を詳しく聞いたことはないけれど、つらい気持ちは、きっと わかりあえる。

だって私も、同じアトピーの子を持つ親だったんだもの。

おまけに、厳しい食事制限をしていた時期さえあったから、たぶんあなたより、うちの親子は
ずっと屈折してきたわよと言う、変な自信もある。

近所のお宅へおじゃましても、出されたおやつが食べれなくて、何度気まずい思いをしたことか。

外食も、まして旅行もできなくて、家へ閉じ込もったつらい日々もありました。

だから、思わず声をかけたんだもの。


 自分一人で、医師だけを頼りに治療しても、たぶん良くならない。

アトピーをよくするために足りないものが、あの人には たくさんあると思う・・・でも、拒絶しようと
している彼女に、そこまで踏み込んで話が出来るはずもない。

それに、冷静になってよく考えてみれば、アトピーが良くなるためのコツを話すのって、そんなに
簡単にできることじゃない。

そうよっ!私だってそんなにヒマじゃないわ!

そう思って、もうあの親子のことを考えるのをやめようと思ったんだけど、
皮膚だけでなく、心までカサカサ
に乾いてつらそうな
あの子の様子は、いつまでもまぶたの裏に、やきついてはなれない。

 かたくなに殻にこもったあの親子の後ろ姿。あれはかつての私の姿だもの。


 我が家の子供たちのアトピーが、ずいぶん良くなった今も、アトピーの問題から目をそらせないのは、
こんな子に出会うたびに、胸が痛むから。
 
 そして、子供を愛しながらも、この病気にたった一人で孤独に向き合い、心身共に疲れて悩んで
いる母親に、自分のあの頃を重ねて、つらくなるから。
 
 でも、
アトピーは決してマイナスじゃないぞ!案外いい事だってあるのになと、今の私は、はっきり断言できます。

 生活を見直して、アトピーがよくなることで、母親としての自信を取り戻し、もっと元気に子育てを楽しんで
欲しいなと心から願うのです。

 
 





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    かわいそうと言われると、なぜつらいんだろう  

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 幼いお子さんを子育て中のママにたくさん出会ってきました。

そこで思ったのは、 アトピーの治療には、ママの心のケアが欠かせないってこと。

と言うのも、ママ達の 話や自分の体験を通して、湿疹やかゆみなどの症状が重いアトピーっ子の中
には、本 人よりむしろママ達の方がアトピーに悩んで、ストレスでまいっているケースも多く、 それが
治療のマイナスになっているように感じたから。

 いくらいい医師にかかっても、親の心が荒れていては、子供たちに愛情を豊かに注 ぐ心のゆとりも
なくて、結果的にアトピーは治りにくい。子供の湿疹ばかりが気にな って、子育てを楽しめなくなったり、
何とか治さなくちゃと、実験台のようにあれや これやの治療法を試して、かえってアトピーをより悪化さ
せる例もあるから、気を付 けたいよね。


 例えば『かわいそうに』と、なにげなく他人が口にするこの言葉。あなたの胸にも、 ズキンとくるんじ
ゃないのかな?

いかにもアトピーという我が子の容姿を、親としてつ らく感じていた頃の私は、この言葉に相当傷つけら
れたものです。

 だってね、アトピー一号の上の子の湿疹がひどくなり始めたのは、離乳食が進んだ1 歳前から。
オムツのお尻をふりふり、ヨチヨチ歩く、そのしぐさの愛らしさ。あやせ ば、歯の生えそろわない歯ぐき
を見せて、キャッキャと笑いころげる、かわいい盛り のうちの子。

 ところが、ところが、初対面の人に、深い意味合いもなく、あいさつがわりに言わ れてしまう言葉は、
「もしかして、アトピー?まぁ、かわいそうに。」だって。

 そんなのひどいと思わない?

誰だって、お腹を痛めて生んだ我が子の事を、とても 賢そうで、食べちゃいたいくらい愛らしいと、
ほこりを持って育てているでしょ。

親 バカって言われようが、なんだろうが、それが親ってもんよね。

そんな一点の陰りも なく、輝く玉のような我が子が、「かわいそう」と、同情をされるつらさ、情けなさ。
わかるよね。  

湿疹という、アトピーマークを貼っている我が子が、「かわいそう」な不良品と思 われ、よその子より
劣っているように感じさせられるのは、そりゃショックです。

た とえお世辞とわかっていても、「かわいい」と言われれば、親の心はどれほど救われ るかしれない。

 おまけに、「アトピーの原因は、ダニや遺伝」という説も世間に根強いから、もし も姑なんかに「かわ
いそうに」と言われたら、その言葉の裏に、親であるあなたが 『ダニが増えるほど、生活がだらしなく』、
『ちゃんと子供の世話が出来ない』、 『だめな遺伝子を持った』嫁だと、まるで責められているようにさえ
感じて、新米 ママは、よけいつらくなるよね。

 あなたも私も、うちの子がアトピーでなきゃいいのにと悩む親はみんな、こんなな にげない言葉にも
傷ついている。

でもね、本当に、体も心もボロボロでつらいのは、 子供自身だってことには、うかつにも、気づきにくい。

だって、乳幼児達は「つらい」 とも「悲しい」とも訴えないんだもの。

ママの愛情をたのみに、じっと病気に耐えて いるんだよ。  

病気でつらいのは、愛しい我が子。ママの心がつらいのは、自分の分身でもある我 が子が、かわい
そうの言葉で、他の人に見下されているように感じて、自尊心が傷つ けられるから。


本当につらいのは、自分じゃなくて子供なんだと気づいたとき、もっ と子供に優しくなれる。ママとして、
ちょっぴり成長できる。アトピーの良くなって くるきっかけは、そんな小さなことから始まるんだよ。


  そして、これだけは絶対言える!

 アトピーっ子=かわいそうな子じゃないよ。

 何年かつき合うと、あなたにもきっとわかる。自分の体に害があると感じた物を、受け付けなかったり、
湿疹として皮膚から吹き出させて、「イヤだ!」サインを送ってくるアトピーっ子は、むしろ、動物的勘の
鋭い、遺伝子として優れた物を持っている、いい子なのではないかとさえ思えるときがあります。


育てるのは、手間もかかって大変です。でも、かわいそうな子では決してない!HPやメルマガにも、なぜ
そういえるのかは、しっかり書いてきました。どうぞ、あちこち読んでみて下さい。

そして、今、つらい気持ちで子育てをしている新米のママも、自信を持って、元気に子育てしましょうね。






            クリスマス

             

 初めての子育ての時は、行事で何が起こるのかが予測できないので、たくさんつらい
思いをしました。

 特に、クリスマスはつらかっなぁ。親子クラブに入っていたのですが、クリスマス会
で、食べられないお菓子やケーキを突然渡され、大喜びしている我が子の手から、
「これはダメなの。」と取り上げて、食べさせてあげられなかった時のつらさは忘れら
れません。

 逆に、アトピーの親の会に入って、初めてのクリスマス会では、会員さんの持ち寄っ
た、制限食の手作りケーキやお菓子の山に、目が点!

 「どれも食べていいんだよ。」と教えてあげたときの、うちの子の、あの嬉しそうな顔。
心づくしのごちそうが嬉しくて涙が出そうになりました。

 アトピーで、いろんな物が食べられなくてつらい期間は、長くても2、3年の子の方
が多いです。食べられる物が、みんな少しずつ増えていくから、今年、制限が多い子の
ママも、どうか悲しまないで。

 アトピーは不幸なんかじゃないよ。長くやってきたら、よーくわかりました。

 食べられないときは、背伸びしない。これが一番です。
無理して他の子と合わせようとすると、子供もかわいそうだし、ママの心も疲れちゃう。

 そんな年は、家族でこじんまり過ごすのもいいもんです。華やかなクリスマスを知って
いるから、ママはつらくなりますが、幼いアトピーっ子は、ケーキの味を知らないから、
案外、平気。

 世の中から取り残されたような孤独に追い立てられて、同じ事をしようとして、無理
をさせ、子供の幸せを見失わないで!

 食べ物がダメなら、ピカピカきれいなツリーや思いのこもったプレゼントで、楽しませ
てあげればいいんじゃないかな?これにママの手作りのごちそうががあれば、きっと
ハッピー・Xマス♪



           我が家のケーキが一番!

 クリスマスのケーキについて、もう一つ書きたいと思います。

 それは、お子さんにとって、我が家のケーキが一番!ってこと。

 クリスマスが近づくと、子供に、ケーキを食べさせてあげられないクリスマスなんて惨めだわなんて悲しいことを考えて、あなたは悩んでいませんか?

 食べ物のことで悩む時期は、3歳ぐらいまでのお子さんが多いのですが、この時期の子供って、自分の家庭の中で起こっている事だけが、心に刻まれる世界の全てです。

 
テレビや絵本でケーキを食べるシーンを見ていても、実際には食べていないのですから、ケーキが何かを知りません。だから、ママが手作りした、イモムシみたいな、なんだか不思議なものに、ろうそくがちょこんと、立っているだけで、それは、その子のケーキになれるのです。だから、ちっとも、かわいそうじゃないのよ。

 また、今までお菓子作りにはまっていなかったママが、いきなり、大きなケーキ作りに挑戦しても、手間がかかるだけで、うまくは作れません。

 だから、「クリスマスには、大きなケーキを!」の発想を、そもそも、変えましょうよ。

 大きくなくてもいい、小さなカップケーキなら何度か作れば、多少ましなのが作れますから、大きなケーキ皿に、ミニケーキを、たくさん作って並べても、子供は大喜びだし、よもぎなんかを入れて、色違いのカップケーキを、交互に並べるともっとすごい!!

 ケーキが食べられないなら、フルーツを閉じこめた寒天ゼリーを大きめに作るという手もありますよ。

 だから、
買ってきたケーキが、あなたがお子さんのために苦心して作ったお菓子より、上等だなんて発想をやめましょうよ。

 3歳ぐらいのお子さんなら、そんなクリスマスの光景を覚えていて、少し大きくなった頃に、「ママが作ってくれたお菓子」の話を、何かの拍子にしてくれることがあります。例えばそれが、
失敗作だったとしても、子供はとても楽しそうに話すものです。だって、ママの愛情がちゃんとそこから伝わっているし、忘れられない印象として、心に残るから。

 大切なのは、ママの話しかけ方です。「できたよ♪」「おいしいよ」と、ニコニコして差し出せば、子供は多少まずくても、「おいしい」と言いながら食べます。「こんなものしか作れなくて、ごめんね。」「ケーキじゃなくて、ごめんね。」と渡せば、悲しい気持ちになります。
ケーキかどうか、味がどうかでなく、楽しい気持ちで食べられたかどうかが、子供の思い出の全てだから、無理のない範囲で、クリスマスは手作りに挑戦してみませんか?

  アトピー♪おいしーカレンダーの11、12月号でも、クリスマスのアイデアをいろいろ書き込んでいます。


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       傷口に塩をすり込んでいないか



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 「傷口に塩をすり込む」・・・聞いただけで残酷な表現ですよね。痛みの残っている
状態の部分に、ヒリヒリしみる塩をすり込めば、ズキズキとうずいて、痛みで眠ること
さえ出来ないかもしれません。

 でも、我が子のアトピーを何とか治そうとして、必死な心理状態に追い込まれたママ
は、たまにこんな行為におよんでしまうのです。「そんなバカなことを私はしてない
わ。」って?本当でしょうか?

 例えばそれは、アトピーが悪化して、皮膚の状態が悪くなっているときに、次々と
新しい治療法やお薬を試してみること。

 肌を健やかな状態に保ってくれる、バリアが奪われて、傷口がむき出しになっている
ような肌の状態の時に、治したいばかりに、より強力な治療効果の期待できる方法を求
めて、あれこれ試すことが、時によけいに肌の刺激になり、肌の快復を遅らせてしまう
結果につながる場合もある事は知っておいてくださいね。

 こんな事言っている、私もしっかりやりました。かゆみで眠れないほど、あんなに悪
化した時期があったのは、いじくりすぎて、かえって肌を傷めたのではないかと、今な
らわかります。

 幼くて、か弱い子供の皮膚です。おまけに、薬が合っていなくて、不調を感じていて
も、子供はそれを訴えることがありません。言葉も足りない上に、幼すぎて、病気の治
療に関心も知識も持っていないからです。

 でも・・・・

  アトピーが治るのなら、お金なんて惜しくないわ。効きそうなものは試したい!

 こんな気持ち、すごくよくわかります。かゆみで、親子共々眠れぬ夜を過ごすと、み
んな気持ちが追いつめられ、冷静な判断が出来なくなって、そんなことを考えます。

 とりわけ、秋から冬にかけては、乾燥して肌の状態がただでさえよくない時期です。

 アトピーが、悪化することがあっても、よくするのは難しいぞと、まず冷静に考えてみて
くださいね。

「ひどくなったときは、刺激しすぎない」そんな、「様子を見る辛抱」が、時には必要
です。

 愛情からしてあげることが、我が子の傷口に塩を塗る結果につながらないよう、どう
ぞ冷静にね。

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      アトピーで上下する夫の株
 
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 何かと大変なアトピーっ子を、心のゆとりを持って育てられるかどうかの鍵を握って
いる人物がいます。それが夫の存在です。お宅のご主人は、家事や育児に関わってくれ
ていますか?

 結婚の一年後、子供が生まれた時、私の場合は仕事をやめて、専業主婦を選びました。
 初めての育児はわからないことばかりで、戸惑いも多かったけれど、赤ちゃんは食べ
てしまいたいほどかわいいし、時間の余裕もあったので、なかなか楽しい毎日でした。

 そんな日々が、ガラガラドンと崩れてしまったのは、アトピーの悪化した子供のため
に、食事制限が始まり、掃除や洗濯に、ものすごく手が掛かるようになった時から。

 当時は、厳密な制限食を指示されていたので、米の代わりに、ひえやあわの雑穀を
なべで炊き、専用の調味料で、おかずも別に作った。指定された数少ない食材で、毎食
メニューを変えながら、工夫していくって大変よぉ。たぶん、一日の半分は台所にいた
わね。

 おまけに、掃除だって手を抜けない。毎日ふとんを干しては部屋を掃除し、夕方には
それを掃除機で吸引して、ダニをとる力仕事も待ち構えていた。子供の世話もあるから、
家事は思うように進まないし、かゆみに付き合えば夜も眠れない。

 「もう、あんたがアトピーになるからいけないのよ!」って、罪のない子供にも思わ
ず八つ当たり。イライラ、カリカリして、私がへとへとになっていたその頃、夫は、夫
は・・何の役にも立たなかったのです。

 とっても不幸なことに、私は家事の全く出来ない男と結婚していたのでした。子供の
頃から今に至るまで、家事の経験がまるでない夫は、家事と育児に私が振り回されてい
ることさえ気づかずに、仕事から帰れば、全く今までどおりの生活を続けていたのです。

 その上私には、『仕事を辞めてまで選んだ専業主婦』と言うプライドがあり、アト
ピーに振り回されて、家事が出来ないと言う泣き言はとても口に出来ず、あえて夫を頼
らずに、孤立無援のまま、心にストレスを貯め貯め、ひたすらがんばって、もくもくと
家事をこなしていました。

 そのうち、二歳になったうちの子が反抗し始めました。何を言っても、「いや、ママ
は嫌い!」全然言うことを聞かない。いくら大変でも、子供のためにとがんばっていた
のに、なぜ?

 子供に裏切られたようなつらさから、私は、帰宅した夫の前で、思わず泣きくず
れてしまいました。

 鈍い夫も、さすがに妻の異常さに気づいたようで、それからは時々、洗いものをして
くれるようになり、おむつもたまに替えてくれ始めた。そのうち、おっかなびっくり夫
に子供を預けて、一・二時間、買い物を楽しんだり、友達に会ったりと、自分の時間を
持てるようになったら、育児のストレスもずいぶんと減ってきた。泣いてみるもんです。

 最近自分でも、よく子供を叱りとばしているなと感じたら、それこそがストレスでつ
らい心の、SOSサイン。そんな時こそ夫が、アトピーでつらい妻子のために、力にな
ってあげなくちゃ。


 例えば、「できる範囲でいいから、家事を手伝う。よくわからなくていいから、育児
のぐちを聞く。子供のいる部屋で、たばこを吸わない。車好きなら、ほこりっぽくなら
ないよう、休みの日には車内を掃除する、食の制限があれば、文句を言わずに食べてあ
げる」など、アトピーっ子の世話で大変な時期に、この程度の夫の協力は欠かせない。

 ↑ ここは、切り取って、夫に見せましょう!


 もしも家事が不慣れなら、子守をお願いしましょう。「子供を見ていてあげるよ。出
てきたら。」の一言が、アトピーに押しつぶされそうなママの心を救う。

 「仕事で疲れているし、家事も育児も、ぼくは出来ないから・・・。」と言い訳する
ダンナさんには、「困っている嫁さんを、見て見ぬふりして、何が夫じゃ!それでも男
か!!(← あ、ジェンダーの時代に、今さらな言葉を使ってしまいました。)」と、
やんわりと(?)なじってみましょう。

 アトピーの嵐は、夫婦のきずなが確かめられる場でもあります。ここで夫の株を上げ
るのも、妻に見切りをつけられのも、今が正念場だよん。
 

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          アトピーは、前向きが勝ち!


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アトピーを良くするためには、前向きな心の持ち方が出来るかどうかが、症状の
改善に、大きく関わってきます。

 例えば、食べた途端に、お子さんに じんましんが出た時。

 はじめての体験だった場合、パニくって、これは、大変なことになったと、頭を抱
えてしまったり、うかつに食べさせた自分を責めたりするのが普通ですが、子育ての
熟練ママの中には、「あら、これで出るのね。アレルゲンがわかって良かったわ。」
と、ものすごい事を考える人がいるのです。

 アトピーサークルで、はじめてこんな考え方をする人に出会ったとき、なんてズボラ
な・・・と、ピリピリしながら子育てしていた当時の私は、絶句してしまいましたが、
子育ての経験を積むと、こんな考えもアリだと思えたし、
こんな発想の転換が出来る事が、本当は必要なんだとよくわかりました。

 アトピー暮らしは、大変だけど、いい面を探し出して、前向きにとらえることが
出来るようになったら、ママの心の深いところにある「よそと違う子を産んだ劣等感」
が、コトリとはずれて、きっと無意識のうちに、表情が明るくなるし、子供に接する
態度や言葉も優しくなれる。

 また、神経質に考えすぎたり、クヨクヨ気に病んで、ママが表情をくもらせながら
子育てをすれば、子供の神経も張りつめて、やはり、アトピーが悪化しちゃうから、
心を楽に、そして、自分や我が子のそんな体質を肯定しながら、アトピー暮らしは、
前向きに考えて過ごそうね。

「こけたら、何か拾って立ち上がる」そんな、わらしべ長者的考えが、あなたとお子
さんのアトピー症状を、きっとWで軽くすることになる。ホントよ。






                               
                          
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