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住宅の新築を考える その1

    その 2


  壁・天井

  基礎・床下
 
ビニールクロスvs布クロス

 接着剤が多用された住宅

  水回りも乾式仕上げ 

  ダニやカビが繁殖しにくい住まいのために


 窓アレンジ素材

 たたみ


  

   新築・リフォームを考える  


 家を建てたり、リフォームすることは、究極のアトピー治療法の一つだと思います。

 ここでは、化学物質の揮発や、ダニやカビが発生しにくい家作りなど、アトピーっ子が快適に住める家はどんな物だろうと言うことについて、について、体験を交えながら書いています。


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住宅の新築をえる  その1
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 一年で一番暑い夏の時期は、室内の気温も上がりますので、化学物質の揮発も多く
なり、シックハウスに悩む方が増える時期でもあります。

 共稼ぎなどで、終日締め切って外出されている場合は、揮発した薬剤がより充満し
ますので、何か問題がある施工が施されている場合は、空気の汚染度も高く、問題は
より深刻です。

 そんな中で、安心して住める家をアピールポイントにした住宅メーカーが、最近増
えています。住宅は、高い買い物ですが、少し前からは、「無添加住宅」と言うコピー
の大手メーカーすら現れて、びっくり。

 大がかりな宣伝費を使いながら、安くて安心な住宅が本当に作れるのかしら?と
私は考えていますが、チェックしてみたら、それなりにこだわった内容で、消費者
の心をつかむやり方が、さすがに上手いなと、変なところで感心してしまいました。

 でも、本当は、「安くて、安心」は、食べ物への安全と同様に、両立しがたい事
なんですけどね。

 実は私、かつて、全国的に名のしれた某プレハブメーカーに勤めていました。

 実家もちょうど、その頃、そのメーカーで新築していたので、実際にその商品で、
生活もしていましたよ。

 当時は、そのメーカーの、洋風のおしゃれな外観や内装のデザインが大好きでした
し、自分が販売に関わっていた規格住宅に、とても愛着を持っていました。

 ところが、実際に我が子のために家を建てようと言う話が始まったとき、体の弱い
幼子やお年寄り、アレルギー体質のある人が、特に過敏になりやすいと言われる、
化学物質過敏症やシックハウスについての情報が耳に入ってきました。

 そこで、万が一にも、我が子のアトピーが悪化する可能性を含んだ家は建てたくな
いからと、専門家の方の話を聞く会に、あちこち出かけたり、実際に、健康住宅を売
り物にしているメーカーのモデルルームを尋ねて情報集めをしました。

 その結果、「アトピーっ子の体に優しい家」と言うコンセプトで、私が選んだのは
なんと、木や土など、昔ながらの建築素材を多用した、木造の在来工法の家でした。

 健康住宅を売り物にしてるメーカーさんに建ててもらうことなく、地元の大工さん
と相談しながら、紆余曲折を乗り越えて建てた家ですので、後から失敗したなと思っ
た部分もあったのですが、健康住宅ってこんなものだよと言う、本当のところをお話
できると思います。

 家を建てることは、予算との戦いで、安心な食べ物を買うほどに、簡単に実行でき
る内容ではないと思いますが、アトピーを治すための究極の選択は、引っ越しや新築
ではないかと私は考えていますので、健康住宅について知っておいてソンはないと思
いますよ。

 一般的な住宅メーカーが、快適な住宅としてすすめてくれる家ばかりが、実は、い
い家って訳ではありませんでした。

 詳しくは、次回から載せていきますので、参考にしてもらえたらと思います。




 その2

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  前回の話の続きです。

 「アトピー」というと、ダニや食べ物が症状の悪化に大きな影響を与えている
イメージがあったのですが、シックハウスをきっかけに、「アトピーっ子の体に
優しい家」ってどんなものだろう?と調べていったら、生活する室内の空気汚染も、
予想以上に深刻な影響を子供に与えているという印象を受けました。

 私が家を建てた10年前には、「新築住宅における、乳幼児のアトピー発病の
7〜8割に化学物質による空気汚染が関係している」と、仰天の発言をする専門
家もいて、シックハウスの話題は、ちまたでもポピュラーでした。

 シックハウスや、アトピーを悪化させる住環境については、別の時に書くことにし
て、化学物質の揮発が少ない新築の住宅を建てるためにはどうしたらよいのか?と
言う部分を突き詰めてたどり着いたのは、木や土のような自然素材を使って、昔な
がらの湿式工法で建てられる伝統的日本家屋でした。

 まさに、灯台もと暗し!

 考えた末に選んで建てた、我が家について、構造上の特徴をもう少し説明してみま
すね。

 まずは、外観。一般的には、モルタルなどを塗ったり、サイディングと呼ばれる、
外壁用のパネルを張ることが多いのですが、我が家は真っ黒な炭板(焼いて炭の焦げ
目をつけた焼き板)仕上げで、壁の一部は、漆喰(しっくい)です。

 ここまで聞いただけで、え〜〜〜田舎臭い!(-_-;)という、ガッカリした声が聞こ
えてきそうですが、炭板をなめてはダメですよぉ。

 外壁としての炭は、建物の壁内部にカビが生えないよう湿気を調節する効果があり
ますし、放射能を防ぐ、化学物質を吸着する、マイナスイオンを発生するなど、体に
いいとされる機能がいっぱいなんです。

 しかも、ちゃんと焼きこんである板は、メンテナンス無用!の優れもの。一般的な外
壁は、10年もしないうちに薄汚れて、また壁を塗り替えるメンテナンス費が必要です
が、炭板は、何十年たっても、変わらない外見を保ち続けます。

 もう一つの外壁素材である漆喰は、日本の家屋に長年使われてきた安全性の高い素材
です。家を壊したら、自然に帰るリサイクル素材としても、近年見直されていますよ。

 また、白壁と炭板のコントラストをうまく生かした、和洋折衷なデザインの家に仕上
げれば、洋式な家が建てたいママも満足な、なかなかにおしゃれな家に。

 屋根は、俗に日本瓦と呼ばれている粘土瓦です。粘土を焼成してありますので、耐久
性、断熱性、遮音性に優れています。

 焼き物ですから、一般的なスレート瓦のように、月日が経つと、だんだん色あせてし
まうと言うことがありません。なので、購入時には多少割高でも、長い目で見たら、と
てもお得な素材なんですよ。

 通常の一軒家では、だいたい5〜10年おきに、5〜60万かけて屋根&外壁の再塗
装を行いますので、リフォーム費用が不要であると言うことは、かなり経費の節約にな
ると言うことがおわかりでしょう。

 でも、アトピーっ子にとってのメリットは、これだけにとどまりません。

 塗装は家の外で行われる作業ではありますが、化学物質で汚染された空気や臭気が、
何日にもわたって家の内部に入り込むので、薬剤に過敏な人は、頭痛や吐き気を覚え
るくらい体の負担になるものなのです。

 その点、炭板や漆喰のような、長年の風雪に耐えられる、昔から使われてきた自然素
材を利用すれば、湿気に応じて素材が自在に伸縮するから、壁のヒビも、表面に張った
素材のハゲもなく、塗り直しのメンテナンスすらも一切不要!です。

 体の負担になる化学物質から、家人を守ることが出来る上に、家計にも優しいのです。 

 ところが、一般的な住宅メーカーでは、スレート瓦のような素材を標準装備していま
すよね。

 軽くて地震に強いからと言う理由は、確かにもっともらしいのですが、これらを標準
装備にする一番の目的は、安い瓦で坪単価を下げて、建物に値頃感を持たせるためだと
私は思っています。

 おまけに、何年か経つと、必ず再塗装の必要が出るから、その頃にリフォームはいか
がかと、葉書を施主宅に出しさえすれば、新たな仕事が受注できると言う うま味もあ
りますよ。や〜ねぇ。(^_^;)>

 こんな風に、アトピーっ子の体に負担をかけない、自然素材で出来た外観は、建てる
ときにちょっと割高になりますが、住むほどに味が出てくる、実に魅力的な素材なので
す。

※四コマ劇場  湿気と相性がよい家は
         


 その 3 壁・天井


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 今回は、内装の話をしたいと思います。

 今の日本の住宅では、壁材の仕上げと言えば、ビニールクロスであることがほとん
どですが、我が家の壁の内装仕上げには、あまり使われていません。

 台所や洗面所などのように、濡れたり、汚れが気になる部屋には、ビニールクロス
も多少使用しましたが、主な部屋の、壁の仕上げは、塗壁(ぬりかべ)です。

 と言うのも、シックハウスで一番に問題とされたのが、このクロスを貼る時に使用
する糊から出た化学物質だったからです。

 もちろん今は、より安全性の高い糊で代用されていますが、合成糊で貼り付けると
言う図式に変わりはありませんし、ビニールクロスは、通気性が悪く、貼り付けたク
ロスと壁の間に、カビが繁殖しやすい欠点もあるので、できるだけ使わずに済ませま
した。

 ところで、塗り壁と言う言葉がピンと来ない方もいらっしゃると思います。

 塗り壁とは、昔ながらの日本家屋の工法で、壁を塗って、乾かして仕上げた内装を
指します。

 簡単に説明すると、日本で昔から使われてきた、壁塗り用の土素材を、水などで練
って、泥のような状態にし、塗って仕上げるのです。壁用の素材ですから、乾くと固
まりますので、ある程度 強くひっかいたり、堅い物がぶつからない限りは、ポロポ
ロ崩れてくると言うこともありません。

 リビングや子供部屋には、おもに、真っ白で平らな「しっくい」素材を使い、和室
は、聚楽(じゅらく)」と呼ばれる、少しザラザラした砂の質感がある、和風の素材を
塗ってあります。(ちなみに、プレハブ住宅で見かける和室のザラザラした壁は、本物
っぽく見えますが、実は、聚楽に似せたビニールクロスを貼り付けただけの仕様です)

 塗り壁は、雨が続く季節には、壁全体が湿気を吸い取って湿度を下げる働きがあり、
天気が回復すると、湿気を吐き出して元に戻るので、湿気が多い、日本の風土には
ピッタリな息をする素材です。
 
 もちろん、化学物質の揮発を心配させる材料も使われていませんし、前回で書いた
外壁にも使用している「しっくい」の場合は、炭酸カルシウムを成分とする自然素材
で、製造時だけでなく、処分時にも環境破壊が少ない、安心な素材なんです。

 ただ、費用の問題もあるので、本格的に家全体を漆喰仕様にするのは難しい場合
もあると思います。

 それでも、施工業者さんにうかがった話によると、下地の板などに数センチ、塗り
壁をつけるだけでも、吸湿効果がかなりUPし、湿度や室温の調節に有効だそうですよ。

 また、この土素材に炭の粉を練り込んで仕上げ、より調湿機能を高めたり、空気清
浄効果をプラスした高機能の塗り壁素材も、近年では出ていますので、興味のある方
は、打ち合わせ時に、ビニールクロスの代わりに、壁を塗って仕上げてもらうことは
出来ないものかと、建築士さんにお尋ねしてみて下さい。

 ちなみに、壁の塗り方に変化を付けて、コテ跡をわざと残したり、規則的な筋目を
入れれば、地中海風な表情もつけられるから、塗り壁って、和風ばかりでない表情も
形作れる、アートな素材でもありますよ。

 実際に生活してみて、湿気が多い長雨の時期でも、あまり室内の湿度が上がらない
ので、内装全体が湿気を吸収してくれる良さをしみじみと感じます。

 湿気が適度にコントロールされている家では、ダニやカビも繁殖しにくいワケです
から、アトピーっ子が快適に住むためにも、塗り壁という素材はおすすめです。

 ちなみに、幼い子を育てながらのお家でしたら、壁を塗った後に、床から1メートル
程度までの高さを板張りにしておけば、元気なお子さんがいても、壁材の強度は十分!

 実用とデザイン性を兼ねて、検討してみませんか。

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  その 4
   基礎・床下

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 我が家のコンクリートの基礎の上に使用されている床下材と、家全体を支えている
柱は、檜(ひのき)です。

 日本の住宅をダメにする最大の敵の一つは、湿気だと言われます。人が生活する中
で、住宅の湿気は、下へ下へと、どうしてもたまっていきますから、もしも、床下が
湿気ると、一体、どんな事が起こると思われますか?

 一番怖いのは、土台が腐って、家がダメになってしまうこと。そうでなくても、湿気
が多い床下はシロアリが好む住環境となり、家の寿命を短くしてしまいます。

 そこで、家を長持ちさせるために、腐りにくい檜やヒバは重宝され、日本の住宅の
基礎部分に昔から使用されてきました。

 ところが、プレハブメーカーの一般的な基礎には、安く手に入る南洋材が使われる事
が多いそうです。でも、南洋材はしょせん外国の植物ですから、湿気の多い日本の風土
には向きません。そのまま使用すれば腐りやすいからと、薬剤に漬けて加工されていま
す。

でも、家全体を支えている基礎ですから、ここが安普請では安心して住むことは出来
ないし、こんな所でケチってどうすると言う思いもあって、檜を選びました。

 「檜=高額」と言うイメージがあるかもしれませんが、基礎の部分に使うだけなら
たいした分量ではないので、ほんの数万円プラスするだけで変更も可能だと思います。

 住宅メーカーの企画住宅を建てる場合でも、変更可能な場合がありますので、交渉し
てみるといいかもしれませんね。

 さらに、北面の床下を中心に、調湿用専用の炭袋が床下に敷いてあります。

 床や柱に貯まる湿気を、ほどよく取り除くために、炭を入れて、その吸湿力で湿気
取りをしています。

 当時でも40万近くかかりましたので、今思えば高い買い物でしたが、当時は炭の
効能に心酔していましたので、全然惜しいとは思いませんでした。

 と言うのも、わざわざ炭を敷いたのには、他にも目的があったのです。

 炭を床下に使う一番の目的は、先に書いた調湿ですが、新築住宅から出る化学物質を
吸着する働きも期待していましたし、遠赤効果やマイナスイオン効果もあると言われて
いるので、心身に良い影響を与える、健康素材としての炭の効果にも注目していたの
です。

 敷き炭については書くと長くなりますが、新築後に室内に炭を置いて化学物質を吸着
するために使うのも良いと思います。
   
こんな商品も参考にしてください。 → http://yoikomap.client.jp/index4-1-r.htm#3

 新築は、予算とのせめぎ合いですら、少しでも安くならないかと誰もが頭を悩ませま
す。そんな中で、今回ご紹介したような、目に見えない所にお金をかけるのは、もった
いないと考える方もいらっしゃって当然だと思います。


 今の日本の住宅は、新築直後には特に、見た目に美しく、豪華です。

 ただ、表面だけきれいに仕上げた素材を使用している場合も多いので、メッキがはが
れ落ちて汚い地肌が見えるがごとく、10年もたたないうちに、どこかしら色があせた
り、表面の加工がはがれたりし始めます。

 さらに心配なのは、目では見えにくい家の基礎や内部が、徐々に湿気でかびたり腐っ
たりする事態です。

 近年の工法で建てた家の平均寿命は2〜30年とも言われていますが、伝統的な工法
で、見えないところにお金をかけながら建てた我が家なら、50年は軽いと、棟梁は
太鼓判を押してくれました。

 その言葉がお世辞か本物か、そしてかけたお金が、高いか安いかは、長く住み続ける
中で答が出ると思います。どうせなら、お金をかけただけの価値がある家に住みたいで
すよね。


※アトピー四コマUPしました。      早くて短い家の一生  





 ビニールクロスvs布クロス

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前回、塗り壁の話をしましたが、もう少しお安く出来て、調湿性があり、健康的な
壁材の話をしたいと思います。それが、布クロスです。

 私が、以前、住宅メーカーに勤めていたという話をしましたが、その時に担当して
いたのは、新築やリフォームの内装でした。

 当然、お客さんの希望や好みをお聞きしながら、室内の壁や床の色を提案する仕事
にも関わっていたのですが、ほとんどのお客さんが、住宅の見積もり時に提案されて
いる、壁も天井もビニールクロス、床は、合板のフローリングという内装を、そのま
ま受け入れていました。

 言うまでもなく、これが一番安く仕上がる内装なので、予算的にやむおえず決めた
というのもあることでしょう。

 まれに、質感が好きだからと、布のクロスを希望する方もいましたが、同席している
工務担当者が、「シミになりやすいですよ」とか、「子供が汚した時に、ぬれぞうきん
ではふけませんよ」と、メンテナンス面でのデメリットをあげると、ほとんどの人は
「ビニールクロスでいいです」と、あっさり変更を取りやめていました。

 もちろん、これはウソではなく、本当の話です。でも、デメリットだけを強調するこ
とで、布クロスの良さをあえて言わないところが、商売なんですね。

 工務担当者が後で教えてくれたのですが、布クロスという素材は、ビニールクロスに
比べて貼るのが難しいので、クレームが出やすいから使いたくないと言うのが、正直な
気持ちなんだそうです。

 いつものビニールクロスで注文してくれた方が、職人もミスしないので、きれいに早
く工事が進むのです。確かに、一部のお客さんは、ほんのささいな事にでもクレームを
付けて、全てやり直すことを求めるので、工期がドンドン押してきます。だから、現場
にいた人間として、クレームの付かない仕事をしたいと言う気持ちはよくわかります。

 ところが、健康住宅と言う意味で考えると、ビニールクロスを使用するのと、布クロ
スとでは、大変大きな違いがあります。

 一番注目して欲しいのは、調湿性です。薄い布素材なので、土壁ほど吸収は出来ませ
んが、結露を防いで、下地のカビを予防する働きを持ちます。

 また、万一火災が起きたときにも、有毒ガスが発生しませんし、布の質感や手触りが
与える雰囲気に癒される効果も大きいと思います。

 と、そこまで聞いてから、予算に応じてお客さんがどっちのクロスを選ぶか決めた方
がいいのです。

 知り合いのお宅は、無添加の布クロスを、呼気で湿気やすい寝室に貼っていました。
ストライプに大きめの花柄を配した、大変おしゃれなクロスを選んでいて、一見、ホテ
ルのような豪華さ。人口のビニールクロスの花柄なら薄っぺらに下品なだけで、あの質
感を出せません。

 一目見て、お子さんのアトピーで大変だった彼女が、自分のために奮発した とびき
りお気に入りのクロスなんだとわかりました。こんな時、スイッチまわりが、手垢で汚
れるくらいなんだ!デメリットがあっても、布クロスで いいじゃないかと思うわけで
す。

 と言う私は、子供室など、大きい部屋は全て漆喰(しっくい)塗りの内装にしました
が、明らかに良く汚れて、時には、ぞうきんでゴシゴシふきたい洗面所と台所のクロス
を、軽い不燃加工のあるビニールクロスにしました。防火機能や掃除のしやすさも、こ
こには必要だと考えたからです。

 そんなわけで、予算に応じて、どちらの種類のクロスがいいかを、柔軟に選べばいい
と思うのですが、その時には、商品のメリットとデメリットの両方を、ちゃんと聞いて
から選ぶ慎重さが、アトピーっ子の親には必要じゃないかと思います。


   接着剤が多用された住宅
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 日本の昔ながらの住宅は、仕上げるまでに大変な時間がかかる湿式の工法である
のに対し、現代の工法は、乾式の工法であると言う話を以前書きました。

 以前私が住んでいた、某プレハブメーカーも、もちろん乾式工法のメーカーな
ので、内壁の下地だけでなく、柱やドアに至るまで、ほぼ全てに、接着剤で固め
て仕上げる集成材や合板が使われていました。

 これには、合成建材の方が安く仕上がるし、無垢の自然素材よりも、ゆがみや
割れが起こりにくいから、短期間で仕上げても、トラブルが起きにくいと言う
意味あいもあります。

 安く合成された加工建材の表面には、本物そっくりなプリント生地が貼られたり、
あるいは、天然木を薄くそいだ板が、ほんの数ミリ貼り付けられています。

 一般的な安い単価の企画住宅は、たいていこんな仕様の商品ではないかと思いま
すが、それを聞かされずに展示場を見たら、あまりに見た目が立派なので、きっと
高級感のある家にしか見えないんでしょうね。

 でも、和室の天井板は、よく見ると柄が全て同じ模様だし、化粧柱には、節が全
くありませんので、本物かどうかは、その気になって見ればすぐわかります。

 もちろん、フローリングも、接着剤を多用して組み合わせた集成材が一般的です。

 そんなわけで、室内で糊やボンドを使用している箇所と言うのは、単に、化学物
質が揮発していると問題視されたビニールクロス部だけではありません。今の乾式
の工法では家全体が、接着剤を多用しながら作られているのです。

 もちろん今は、化学物質の揮発で室内が汚染されないよう、メーカーも配慮をし
ながら、加工素材や接着剤を開発し、販売コストを下げている事でしょう。

 でも、いくら見た目を本物に近づけても、生きて呼吸する天然木とは別の物なので、
生活をしていく中で、湿気が室内や内壁に貯まり、家の寿命を縮めるばかりです。

 そこで、これを何とかするために、断熱や強制換気など、昔の家には必要なかった
新たな機能を家に装備して、偽物素材でコストを落としたツケを、こんな機能で補っ
て、家を腐らせないようメーカーは工夫するのです。

 ちなみに、我が家の天井は、和室も洋室も天然板です。天然木は、吸湿性や断熱性
に優れているとされますよ。

 自宅の一部には、ビニールクロスを貼っている箇所もあるのですが、新築後、何年
か経つと、所々に色が変化したシミのような場所が出来てしまいました。

 それに対して、板張りは、年月の経過と共に色が変化して、落ち着いた感じになる
だけで、その美しさは変わりません。

 普段は見あげることがない天井なので、安く仕上げておきたいと言う気持ちもある
と思いますが、湿気を調節する役割を持たせるための選択肢の一つとして、内装を
選ぶときに考えてもいい素材の一つではないかと思います。

  ●うちの内装の写真を、ブログにUPしています。


水回りも乾式仕上げ
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 先週は、建材などに接着剤が多用されているという話を書きましたが、短時間で
住宅を建てることを優先していった結果、何十年か前までは、塗って仕上げる仕事
が当たり前であった、洗面所やお風呂、そして台所などのタイル貼りも、今では
すっかり無くなり、廃れてしまいました。

 以前まだ、建築会社で仕事をしているときに、建築途中の現場の内装仕上がりを
チェックに行って、台所を通ったら、ちょうど規則正しく並んだタイルの裏紙をは
がし、壁にペタリと貼り付けているところでした。

 そんな現場に出くわさなければ、きれいに目地が入っているから、てっきり左官
さんが塗り仕事で仕上げているものと勘違いしていたことでしょう。

 見た目には、モルタルを塗ってタイルを貼ったようにしか見えませんが、実は、
接着剤が裏面にたっぷり付いています。

 もちろん、うちの家を造作してもらうときには、ぜひ台所も洗面所も、タイル貼
りは左官さんの仕事でとお願いしました。

 ちなみに、同じ水回りのお風呂は、さらにものすごいことになっています。

 我が家でも、「湿気が外に漏れにくいから、一体型のユニットバスがおすすめ」と言うことで、
ここは凝らなくてもいいかなと、この話に納得して設置を決めました。

 ところが・・・どれどれ?と、設置したその日に、家族で中をのぞこうと、ユニット
バスの扉を少し開けてびっくり!!(@_@)(*_*)(@_@)

 なんと、なんと、目も開けていられないほどの、濃い濃度の接着剤臭。空気が
重く感じました。

 いけないものを見たときのように、あわてて扉を閉じ、深呼吸。

 それから毎日、天気のいい日にはバスの扉を開けに行き、夕方また閉めて帰りまし
たが、設置後半年以上経っても臭いは納まらず、結局住み始めてからもしばらくは
臭いに悩まされ、元々、化学物質系の臭いがダメな私は、入浴のたびに気分が悪くな
りました。

 我が家のように、施工期間が長い家でもこんなに接着剤から揮発する化学物質に
悩まされたのに、二、三ヶ月で新築に住むご家庭では、一体どんなことになっている
のだかろうと、ちょっと怖いですね。

 家を長持ちさせるために、湿気を逃がさないユニットバスを選ぶか、それとも、
昔ながらのタイルを貼って作る左官仕事で風呂を作るのがいいのかには、一長一短
があるので考えどころですが、気になる方は、新築の際によく話を聞いてから決め
られたらいいと思います。

アトピー四コマでも載せました。



 ダニやカビが繁殖しにくい住まいのために            【玄関を考える】
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 アトピーっ子が快適に住める家作りのために、先週までと少し目先を変えた話も書い
てみたいと思います。

 例えば、アトピーっ子の大敵、ダニやカビが繁殖しにくい家にするために出来る工夫
と言えば、なんだと思われますか?

 その一番は、当たり前のことですが、「日当たりのよさ」ではないでしょうか。

 お家の前に背の高いマンションが建って、南からの日当たりが悪くなれば、いくら掃
除をがんばっても、ダニやカビの繁殖力は強くなり、次第に家の中が、カビ臭くなって
しまうことでしょう。

 逆に、南面から、ほどよく日光が射し込めば、室内を乾燥&殺菌してくれて、ダニや
カビの繁殖を防ぎ、アトピーっ子に快適な生活環境を提供してくれますよ。

 そこで気にかけておくといいのが、玄関の位置です。玄関の位置をどこにするかによ
って、ずいぶんと日照が異なってきます。

 例えば、玄関を南に取れば、玄関先が明るくなり、見た目が華やかで、おしゃれなイ
メージの入り口を演出できるメリットがありますが、日照と言う点で南玄関を見直すと、
一番日当たりがいい南面に、たくさんの開口部を持つリビングが取りにくくなると言う
欠点をかかえてしまいます。

 おまけに、玄関先のひさしのデザインに凝れば、真上の二階窓の大きさが小さく
なって、風通しが悪くなったり、アトピーっ子には欠かせない、ふとんを干すための
ベランダや手すりが、南面に十分に設置出来なくなると言う問題も起こります。

 そこで、アトピーっ子の生活により快適な住まいを目指すなら、日当たりの良い部屋
を広く確保し、風通しがいい、大きな窓や、ふとん干し用の場所を南面に設置するため
に、玄関が南に向くのを避けて設計をお願いすると言うことも考えてみたらいいのでは
ないでしょうか。


【 引き戸のある暮らし 】
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 ダニやカビが繁殖しにくいよう、しっかり風を通す家を作りたくて、もう一つ
工夫した点があります。それが引き戸の活用です。

 今の建築では、洋室には、押したり引いたりして扉を開けるドアが、標準装備
ですが、これを引き戸に変更してみるのです。

 と言うのも、たいていのお宅は、廊下などをはさんで、北と南にいくつか部屋
が設計されていると思うのですが、通常のドアの場合は、それぞれの部屋の扉は
出入りするとき以外は、閉められています。

 すると、南北の部屋の間を、風が行き来する機会はありません。

 南面の部屋はそれでもいいかもしれませんが、問題は北面の部屋です。

 水回りのような、湿気を呼び込む設備が、たいていは一階の北面に集まっている
にもかかわらず、換気が出来る窓の数は少なくて、小さめな場合も多いと思います。

 しかも、日光が当たりにくい北面の部屋ですから、どうしても湿気が残り、カビ
やダニも繁殖しやすくなります。

 ところが、引き戸を設置すれば、必要に応じて、扉を開けたままの状態にして
おくことが出来ますので、それぞれの部屋の対角線上に、もう一つ大きな窓が開い
たのと同じ状態になります。

 引き戸を開けておけば、南北へ自由に風が通り抜け、家全体を換気することが
手軽に出来るのです。

二階の場合は、日中は人がいない状態ですので、寝室や子供部屋の扉を開けておく
ことで、南北に風を通して、各室内を上手に換気、乾燥するが出来ます。

 また、建築直後に残留しやすい化学物質を、効率よく揮発させるためにも、換気が
しやすい、風通しがよい家はお得だと思いますね。

 我が家では、設計の段階で、南北の窓の位置を出来るだけそろえて、風が吹き抜け
やすくする工夫をしましたので、夏に涼しいですし、戸を締め切らないから、部屋に
独特のにおいも こもりません。

 もちろん、勝手口の扉も引き戸です。

 荷物の出し入れも楽ですし、熱がこもりやすい台所に近いから、開口部が大きい
勝手口を、ずっと開けておける引き戸にしたことで、ずいぶん涼しく過ごせますよ。

 も一つおまけに、食器棚も引き戸です。

 これは、地震の時に、地面に食器が落ちないようにと言うメリットも考えて決め
ました。

 かつての日本では当たり前だった、引き戸の文化を見直してみませんか?

                新築・リフォームを考える  へ続きます。