アトピーっ子に優しい食べ物やレシピをご紹介している、アトピー♪おいしーカレンダーの内容
を中心に、一部を抜粋して載せています。どうぞ、本編でも読んでみて下さいね。
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農業&自給率についてメルマガに書いたことからUPしました。他の項目にもUPして、重なっている物も
ありますが、参考になればと思います。
割りばしから見えてくる日本の食糧危機
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先日、新聞の片隅に、「中国が自国の森林資源を守るために、日本への割りばしの輸出を、将来的には、全て停止すると言う通達を行ってきた。」と言う小さな記事が載せられていました。
「もしかしたら、少し先に、コンビニや食堂から、割りばしが消えるのかも?!!」
・・・と言うのは、今まで当たり前のこととして、見慣れてきた光景が無くなると言う、ショッキングな出来事でもあるので、マスコミがネタとして取り上げ、ラジオやwebでも流されましたので、お聞きになった方も多いかもしれませんね。
私はこのニュースを読んだとき、ああ、ついに来たか・・・と、かなりの衝撃を受けました。
なぜなら、割りばしの話のその先に、もうすぐそばまで迫っているかもしれない、もう一つの問題、つまり、日本の食糧問題が浮かんで見えてきたからです。
うちでは、アトピーをテーマに、今までいろんな話を書いていますので、なぜここで、こんなことを書くのだろう?と不審に思う人もいると思います。
でも、中国産に比べて、どうしても生産コストが高くなる、日本の農産物に、「安心して食べられるのなら、高くてもいいから、買いたい!」と、一番に手を挙げてくれそうな人は、アトピーっ子を苦心しながら育てているママ達ではないかと、私は常々思っているので、今、日本が抱えている、とんでもなく危険な、食糧事情について、ここでぜひ、書いておきたいと思うわけです。
では、話を戻して、なぜ、食べられない割りばしと、食糧危機とが、まぜこぜになって、ここで語られているのでしょうか?
この話のヒントの一つは、上の写真の中にあります。一面の玉ねぎ畑の、その先に見えるのは、黄色い麦畑。そしてその先にあるのは?
まずは、予想してみてくださいね。
割りばしから見えてくる日本の食糧危機 2
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なぜ割りばしの問題と、食糧の問題が一緒に語られるのかと言うお話の続きです。
今、日本で出回っている割りばしの9割は、中国製です。でも、20数年前までは、日本でも半分くらいは生産されていたそうです。
ところが、低価格競争が加熱する中で、単価が安い中国産に、徐々にシェアを奪われ、割りばしの二大産地である、奈良と北海道では、生産業者が、激減していきました。
新聞によると、85年当時、北海道には生産会社が約70社あり、約1900人の従業員がいたのですが、04年現在で、つぶれずに残っている会社は、わずかに8社。従業員数は、なんと約40人にまで減ってしまっていたのです。
ここまで製造者側がダメージを受けると、製造技術やそのための設備は、廃れてしまっていますし、そもそも、原材料を仕入れるためのルートも、確保できなくなってしまうのです。
割りばしを日本で製造するためには、単に、また工場を建てればよかろうと言う、単純な話ではありません。
それを作ろうとする後継者を育成して技術を伝えたり、製造に欠かせない機械を提供する工場と、原材料を提供する林業とに、安定した注文を出し続けて、お互いが元気に支え合っていなければ、製造が成り立たないからです。
ところが、「安い!」のただ一点のために、日本の企業は、割りばしを中国に依存し続けました。
その結果、日本での製造技術や、それを支えてきた工業や林業を、長い間切り捨て、再生できないほどのダメージを与えてしまったのです。
なんだ、たかが、割りばし。使い捨てなんてもったいないから、あんな物、使わなきゃいいじゃん。
今回の割りばしのニュースを聞いて、そう思った方は、「割りばし」を、「小麦」や「大豆」に頭の中で置き換えて、もう一度最初から、今日の話を読み直してみてください。
割りばし業界が、中国産に押されて衰退してしまったように、農業の世界でも、今、現実に似たようなことが起こっています。
なぜなら、日本の食料は、米の40%の自給率をのぞけば、ほとんどを外国からの輸入に頼っているからです。
安い食べ物は、外国から買えるからいいやと、日本の農業を切り捨てている間に、刻々と、日本の農業の後継者はいなくなり、土地は、荒れ果て、前回の写真のように、町に近い地域の田んぼや畑は、駐車場や宅地に切り替わっていこうとしています。
ある日突然、「今年は、うちの国は飢饉だから、輸出はしないよ。」と、アメリカや中国のような、たくさん食べ物を輸入している先の国から通達が来たら、私達の食べる物は、一体どうなってしまうのでしょうか?
食料は、割りばしの時のように、「だったら、食べなきゃいい」とは言えないのです。
主食も含めて、食べ物を他国に依存する日本の現状を、少しでも早く改めていかないと、本当に大変なことになってしまう。そこがとても怖い部分です。割りばしの問題は、単なる、割りばしが使えなくなって、不便だという程度の困った問題・・・ではなくて、深刻な食糧危機の問題を、目の前に突きつけられている事と、全く同じなのではないでしょうか。
田園地帯に広がる麦畑です。以前は、夏に、田んぼで、冬は麦畑と言うような、二毛作で、田んぼをフル活用しているお宅が多かったのですが、いまは農業に従事する方の高齢化が進み、このような麦畑が見られるのも、ずいぶんと少なくなってきました。
ところで、ここからは、次の話になります。これらは、麦畑ではありますが、パンやうどんに、なったりはしないのです。一体この麦の正体は、何でしょうか?
割りばしから見えてくる日本の食糧危機 3
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前回 載せた麦畑の写真の正体・・・それは、ビール麦でした。
少し前に、パンについて書きかけた時にも言いましたが、日本の小麦は、パン用には向かないので、もっぱら麺に加工されます。
でも、輸入することで、安く手に入る方が、企業は利益が多く取れるので、みなさんがなにげなく口にしている麺類の大半も、ポストハーベストの問題が気になる、輸入の小麦で、今はまかなわれています。
つまり、国産100%と、わざわざ表示していない場合の原材料は、輸入小麦、あるいは、輸入との混合だと言うことです。
以前、実際に、小麦を作っていらっしゃる農家さんに話を聞いたことがあるのですが、米のように、政府が補助を付けてはくれないので、がんばって作っても、輸入物より高いから買ってくれるところがあまりなく、しかも、売値が安いので、利益が出なくて、アホらしいのだそうです。
そうなんです。
かろうじて、ビール麦が作られているのは、これを納入するビール工場が近くにあり、どれほどの分量、いくらで買うかを、あらかじめ契約しているからこそ出来ることだったのです。
農業には、元手が必要です。出荷するほどの量を、たくさん作ろうとすれば、機械や設備投資にも、お金がかかります。だから、買ってもらえるという当てが無ければ、借金が増えるばかりで、安心して作ることが出来ないのです。
では一体どうすれば日本の農業がうまく操業していくことが出来るというのでしょうか?
実は、その大きなカギを握っているのは、まぎれもなく私達のような、一般の消費者です。
作物が高くても安くても、出来るだけがんばって買う!
これに尽きます。
安定した需要があれば、農家の方は作物を作り続けることが出来るのです。
もちろん、どうすれば消費者の方たちに、安心で新鮮な野菜を送り届けることが出来るのかについて、農家の方も流通にかかわる方も、そして販売する方も、売り方を工夫し、消費者から販売者にいたるすべての人が、満足する利益が得られるよう、工夫し、努力することも必要だと思いますよ。
日本の農業をダメにしてはいけない!!みんなで買って支えよう!!!
心からそう思います。
四コマ漫画でも、自給率についてちょっと怖くなるようなお話を載せました。ぜひ読んでみてね。こちらから
おまけ
大変なのは、もちろん農業の世界だけではありません。
割り箸にかかわる林業も、漁業も、とにかく安く販売することばかりを求められるから、生産にかかわる方は、どんどん利益率が落ちて、創業が苦しくなっています。
先ほどの話に戻って、割りばしのお話です。
ビール麦と同様に、割ばしの世界も、納品する当てがあるから工場が動き、購入してくれるルートがあるから、原材料を提供する、林業が活性化するのです。
ちなみに、割り箸は、使い捨ての最たるもので、悪役だからと、「マイ箸」というのがちょっとブームになっていますが、実は、日本で作られていた割りばしは、植林された木を、美しく育てる為に必要な作業である、「枝打ち」によって出たゴミ、つまり、切り落とされた、細い枝を原料にして、もっぱら作られていた、言わば、リサイクル商品だったそうです。
ところが、割りばし産業がダメになって、下枝を売りさばくルートが無くなってしまったのです。輸入木材に押されて、あえいでいた林業にとって、割り箸用に出荷する下枝も貴重な収入源でしたから、林業経営はさらに苦しくなり、手入れが出来なくなって、山は、かえって荒れてしまったそうです。
割りばしは、決して、自然を破壊する、無駄なぜいたく品というわけではなかったんですね。
クッキング自給率
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バイオエタノール(バイオ燃料)の生産が外国で盛んになって、食料のほとんどを
輸入に依存してきた日本では、食料の値段の高騰や安定供給に影響が出始めています。
また、最近では、中国産の作物からの使用禁止薬物の検出が、ひんぱんに報じられ
てもいます。
そこで、食べ物への関心が深まっている今日この頃、ちょっとおもしろそうな
無料のダウンロードソフトを見つけましたので、ご紹介します。
「クッキング自給率(料理自給率計算ソフト)」です。
ご自宅で料理に使用されている食材とその量から、どの程度、国産の商品で構成
されているのかが調べられるソフトで、農林水産省のサイトが公開しています。
ご家庭の外来食材依存度を、一度チェックしてみませんか?
また、レストランの経営者さんが利用すれば、「国産へのこだわり度」が、数値と
して表示出来て、店のイメージUPにも貢献するのではないでしょうか。
私がこれまでも、国産食材にこだわってきたのは、輸入食材は、生産の過程が不透明
になりがちな上、船で長時間かけて運ぶための薬剤加工を行う場合が多いからです。
何か事件が起こった時だけ、国産の食べ物を選び、しばらくすると、安さにつられて
つい元に戻してしまう消費者さんは多いのですが、薬剤にも敏感な幼いアトピーっ子で
すから、より安全性の確認ができる国産の商品を、これからずっと選んであげて欲しい
と思うのです。
また、国産商品を買うことは、日本の農家さんがこれから先もずっと安心して栽培
出来るよう、買って支えることでもあります。
四コマ漫画でも、自給率についてちょっと怖くなるようなお話を載せました。ぜひ読んでみてね。こちらから
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